2000年8月19日



































「犬禁」!!!!














これでラーメン屋









ジュラ紀の野良犬


加山犬三(いぬぞう)













摩周湖は生ゴミ投棄禁止






トドワラとトド犬


泥沼クラブにおいでやす!


 皆様、こんにちは。たび犬むぎ(旧むぎ2号)の上司・たび狸(旧2号)です。今回は、皆様に大朗報があります。そう、書くことが何もないのです。これで皆様も暑くてお忙しい中に馬も食わないような駄文を読む必要はまるでありません。しかし、日記は一応書いておきます。なぜって?それは「たび日記」というぐらいで、書いておかないと、ついうっかりまた行ってしまうおそれがあるからです。お〜い、お母さん晩ご飯はまだかい?えっ?さっき食べたじゃないかって?2000年盛夏、不惑のたび狸、はやくもアルツハイマーの夏であった。ミーンミーンミーン(←痴呆症進行でキレのないオチの一例)。
 ということで、今回の旅の目的地は北海道東部。大自然のほかは、サッポロラーメンも競馬場も犬のキャバクラすらない不毛の大地であり、老たび狸を捨てるにうってつけの地域。かくして平成の楢山節考のご一行、8月19日朝、中標津行ANK137便で北の大地に飛び立った。で、お母さん晩ご飯は…。
 約2時間で中標津行きの飛行機は意外性もなく中標津に到着。レンタカーを借りて、いつもの空港入口の「ラ・レトリ」(TEL01537-2-0777)で上陸1個目のアイスを早速食し、惰性の旅のスタート。まず目指すは羅臼の町、北方領土・国後島を前に国粋右翼犬の咆哮をご披露しようという趣向。が、腹が減っては戦が出来ぬ(by安倍なつみ←?)との諺に従い町に入る手前にある「海鮮らうす」(TEL01538-8-1033)で昼食を。この店、はっきり言って超ショボイです。メニューもホッケ定食1000円などたったの数種類。おまけにたかが魚の焼死体の分際で料理も遅く、失意のたび狸、生中をゴキュゴキュと飲み早くも酩酊状態。しかし30分後に運ばれてきたホッケ定食の“定食”部分は、鮭南蛮漬け、ツブ貝煮、イカぬた、イカ塩辛、毛ガニ汁など超盛りだくさん。「これはニューヨークで食べたら3500円はするぞ!」と酔漢・たび狸も無意味な感動。国後を間近に望む、望郷台からの右翼犬の「秘技・おはよう」の咆哮も一層の力が入ったことは言うまでもなし。
 その後、今ではすっかり有名になった「熊ノ湯」(←銭湯の名にあらず)を経由し、「カワイイ♪」なんて言ってられないほどうじゃうじゃいる鹿を片っ端からカービン銃でうち倒しながら知床横断道路を進む。霧で全く見えない知床峠を時速120kmで無視して通過し、あっというまにたどり着いたのが今日の目玉の知床五湖。羅臼岳や硫黄山など知床連峰の山並みを映す、原生林の中に静かに眠る5つの湖はまさに知床観光のハイライト! が、がががががががががががが〜〜〜〜、なんとこの季節は「犬禁」!!!!!!!!!!!!!!!!!!。理由はこの地域に多数生息する熊のプーさんたちの大好物がたぷたぷのお腹を持つなま白犬だから!というのは嘘としても、今まで全ての警備員と称する職業の人物と新聞勧誘員とは必ず交戦してきたたび狸も納得せざるをえない理由ですごすご退散…(本音=いいやワシ3回来たことあるし、熊はコワイし、馬鹿犬や黒牛のことなど知った事じゃねぇや!←老人性自己中心症)かわりに、今春の流氷見物の時にも来た「フレペの滝(乙女の涙)」を散策し、名物・コケモモはまなすソフトを上陸2個目に食し、今日の宿(今春と同じ)ウトロの「VPIホテル」に到着。海を望む露天風呂と、充実の夕食、さらにはテラスでの大酒宴で完全に“出来上がった”たび狸、「お母さん昼飯はまだかい…」と言い残しお約束の意識不明で、縁がイルカ模様の気色悪い新品特注畳の上に崩れ落ちたのでありました。
 さて、翌日、ご一行は遅い朝食を済ませ、のたくたと出発。オシンコシンの滝を見学するも、今朝は頭脳明晰なたび狸翁「滝ってみんな、ただ水が高いところから落ちてるだけじゃん?」という驚愕の事実を発見!これってもしや“つまんない”ってこと? しかしソクラテスたび狸、この解明をもって脳の働きも停止し、はや朝食を食べたことを忘れぐずり出す始末…。よって黒牛、滝見物もそこそこに、地面に仰向けになって泣き叫ぶたび狸を羽交い締めにし、やむなく、はやくも昼食へ!。向かうは「ラーメンきっさ駅馬車」(TEL0152-67-2152)。場所はJR釧網本線の止別駅そのもの!無人駅の駅舎をそのまま利用した食堂で、「どうせくわせもんだろう?」とタカをくくって行くとなんと超満員!魚系のダシがきいたなかなかの味で、客は地元の人が多く、彼らは決まって「味噌野菜ラーメン」を注文。近々この周辺に潜伏予定の犯罪者の方は豆知識としてぜひお忘れなく!(←本章唯一の実用情報?)。
 小清水町の国道334号線沿いにある「リリーパーク」(TEL0152-62-2903 7〜9月開園)では、合計700万輪の多彩な百合や向日葵が真っ盛り。一面の花畑の中を目を泳がせながら高走る輪郭のはっきりしない犬の姿は、まさに“臨死体験”そのもの! 続いて向かった東藻琴の「ひがしもこと乳酪館」(TEL0152-66-3953)は、夏の狂犬大喜びの大きな“じゃぶじゃぶ噴水”と広大なパターゴルフ芝地に隣接した地場乳製品の館。学習室では「生後約2年の牛が散歩をねだる声」まで教えてくれてこれで今後もひと安心(←何が?)。お腹まで噴水に浸かり恍惚の犬と、恍惚の人たび狸、仲良く3個目のアイスを食す。その後は小清水峠最高地点にある、道東屈指の眺望をほこる「小清水高原展望台」で屈斜路湖の見物。ここの名物「オホーツクチュロス」は一生忘れられないほどマズイので、健忘症気味の方はショック療法にぜひ。さらに川湯町の「(鈴木ファーム)くりーむ童話」(TEL01548-3-2008)で4個目の手作りアイスをGET! 後は定番の観光コースで、もこもこ噴煙を上げる硫黄山では冬毛犬観光客には大ウケも、灼熱温泉玉子状態で、薫製半生犬の出来上がり。そして砂浜から温泉が湧く屈斜路湖の砂湯では、なんと足漕ぎスワンボート(30分1500円)に犬乗船可! むぎ、インディアンカヌーでは弱気だったくせに、今回は一転、フック船長気分で“極悪ハコ乗り”状態。そのあまりに不遜な態度のため、沖合でたび狸に突き落とされ、あわれ伝説のクッシーの餌食に…。その時代のあだ花のようなせつない生き方、“コーギー界のルートヴィッヒ2世”と呼ぶのは言いすぎでしょうか?(←う〜んボクは好きだなっ!by宍戸開@アリゾナ←楽屋オチ←わからんこと書くな!←えっ?ボキ、よくきこえましぇん…←でもすでに40歳と1ケ月)。
 さて本日の宿は摩周温泉の「ペンション・ビラオ」。釧路川を望む露天風呂付き天然温泉とボリューム満点のステーキディナーが自慢のペンション。すぐ裏手の水郷公園は水犬絶好の散歩ポイントでもある好立地。が、夏休み最盛期とあって乱繁殖中のご家族連れで満員。柔らかく炊いたご飯とお子様を何より苦手とするたび狸、食事中は頭を風呂敷で包みひとり虚無僧状態、「この食堂に、今、人食い熊よいでよ!」と魔法陣で祈る空しき抵抗とともに、摩周のにぎやかな夜は更けていった…。
 さて、最終日。まずは摩周湖見物。が、条件はあまり良くない模様。自称“摩周湖評論家”(ただし名刺はナシ)のたび狸博士の「超感動する摩周湖との出会い方」によると、その一「麓の弟子屈の町から摩周岳が見えない時は行かない!(湖も見えないから。霧の中でチラっと見えるのもまた格別!とよく聞くのは単なる負け惜しみ…)」その二「湖自体が見えても上空が青空でない場合はあえて目をつぶって見ない!(湖面の色が本来の幻想的な色とほど遠いから)」その三「上空が青空でも、湖面に細波がある時はあえて紙袋をかぶって見ない(真の絶景は大空が湖面に映るとき)」。どうです、コレさえ守る崇高な覚悟さえあれば、摩周湖、絶対に感動できます(え?えらそうに大きなお世話だって!。ワシもそう思うわホンマのところ←納得ずく)。で、この日は私、短足盲導犬と白い杖で目をつぶっていやいや観光。ただし、犬は結構感銘を受けたご様子(日本野鳥の会推測…)。5個目のアイスは摩周国道弟子屈側入口にある「摩周湖のアイス」(TEL失念)。さっぱりして美味。その後、ご一行は再び東へ走り、尾岱沼でグルメと温泉を満喫を計画。食堂「白帆」(TEL01538-6-2033)では野付名物の北海シマエビ(シマヘビにあらず←ベタなギャグ)と同じく名物の瓶ビールをゴキュゴキュと! 温泉銭湯「浜の湯」(TEL01538-6-2132)では露天風呂で昆布色の温泉でほかほかに、そして時間がやや余り、最後に向かったのが、野付半島の「トドワラ」。トドマツが浸食してきた海の塩で立ち枯れた、20年前は間違えなく道東屈指の観光地であったが、時とともにいまや本格的に腐り果てて見るべき名木もナシ…しかし!この期に及んで雲雀を追いかけた馬鹿犬が木道から泥炭沼に飛び降り、過去最高の完全炭団状態に!!!!!!かくして、旧なましろ現ガングロ犬、怒った黒牛に、便所の水道で“生き〆”にされ逆ギレする始末で、たび狸の「生まれてこなければよかった…」感も3倍増。ぷんぷん臭う薄汚い犬を積んだ車は、6個目のアイスを再び「ラ・レトリ」で補給しながら、ほうほうのていで中標津空港に戻り、そのまま逃げるように東京に帰りました。犬はいま、白洋舎の染み抜きクリーニングに出してます…。
 どうです、冒頭でお断りしたように、下手すると皆様、このような、長い駄文を読まされるハメになっていたんですよ! 本当に今回は、「旅日記」、読まずに済んでよかったですね!!!  え?なんですか、皆様、その険しいお顔は…。え〜、あの〜、………、お〜い、お母さん晩ご飯はまだかのぉ〜。(本日の標語=老人と狸は大切に)