2001年11月30日























御園旅館






くされ犬@美観地区




下津井港





護摩木奉納

ペット守りと陳列台



朝市にて

はんざきくんと半ボケ君

ペット専用露天風呂


きかん坊将軍@蒜山

ジャージー牛と黒牛





津山の町並み



充実の小魚定食



















桃太郎犬



 さてよい子の皆んな〜集まりましたか〜?きょうは心あたたまるとってもいいお話です。よ〜く聞いて下さいね〜
 昔々、あるところにお爺さんと(中略)ある日お婆さんは川に洗濯に(中略)すると大きな桃が(中略)大きくなった桃太郎は鬼退治に(中略)お婆さんに作ってもらった「きびだんご」を持って鬼ヶ島に向かう途中、なま白い犬がやって来て「お腰につけたきびだんごを下されば家来になってさし上げます」と申すので、桃太郎は団子の紐をゆるめたところ、実はこの犬はコーギーで、ご存じ「ワシがワシが」の性格! あっという間に全ての団子を平らげたあげく、さっさと逃走! 桃太郎は鬼退治どころかそのまま飢えて行き倒れたそうです…。ということで、たび犬むぎ、今回は羽田金曜夕方発のANA659便で、"桃太郎の本場"岡山に向かって旅立った!…ってなんだよこれ?(←ひとりツッコミ!)
 ということで「♪もしもし亀よ亀さんよお腰に付けたきび団子、ひとつ私に下さいな」という歌で知られる(←嘘)岡山県。たび犬の出陣は直接には全日空「超割」期間が端緒だが、桃太郎以来、数多くの犬連れの旅人(?)を受け入れてきた観光県だけに、その「ホスピタリティー精神」は筋金入り。なんと今回は、縁あって、宿探しとコースアドバイスを岡山県観光連盟専務理事様が直々にして下さるという、まさに単なる犬コロにして国賓待遇!(←おおげさ…)これはご期待に応えて食い倒れぬわけにはいかぬ!!(←そして誤解…) 20時に岡山空港に到着しレンタカーをピックアップし、専務理事様お薦めのこの日の宿・倉敷市中心の「御園旅館」にロールスロイス・シルバービッツ(小ネタ…)でおごそかに到着した。
 さてこの宿、本当にこんな所に犬OK?と思わせるような格式を感じる料亭旅館。風雅な中庭を望むしっとりした和室で朝夕食ともゆっくり楽しめる。自慢の料理は松茸会席、鯛麺会席など多彩だが、今回は到着が遅いのと、街の郷土料理も味わいたいという「ハゲタカ発想法」(PHP出版刊←嘘)で1泊朝食のプラン、これでなんと一人6900円!!!(平日価格)。さらに夕食は黒牛の上司筋に教えてもらった「ままかり家」(TEL086-426-9686)。カウンターには、ママカリ、シャコ、タコなど瀬戸内の素材を素朴に味付けた家庭料理が大皿で並び、どれも美味。絶品の宿と夕食で大満足の一家はヤマタノオロチのように深い眠りに落ちるのでありました(←何?)。 
 翌日は、まるで夕食のような充実の朝食(←語彙不足)を済ませ、まず倉敷市内の観光。当然そのメインは「美観地区」といわれる超有名地域で宿からは車でたったの3分。柳並木の掘割を囲むように江戸時代に建てられた白壁の蔵屋敷が並ぶ姿は、天領の面影を残す県内随一の観光スポット。ほかにも、倉敷紡績工場跡地を再開発した、ツタが絡まる赤煉瓦の建物でお馴染みの「倉敷アイビースクエア」など見所がたくさんあり、街の人も犬にはやたら親切!…が、泣いて馬謖を斬るたび狸(?)の定理その6(←1〜5は不明)「修学旅行の観光地は堕落する」どおり(??)、せっかくの美景なのに何か"実"がないカンジ、例えて言えば「キレイな映画セット」のような感覚。さらには路上にはよくある「針金であなたの名前作りま〜す」みたいな違法(?)露店がビッシリ並び、歩行者道路のくせに宅配便のトラックが我が物顔に行き来する…。こやつらを排除しない限りは所詮中学生レベルの観光地どまりで、見識ある大人は一度訪問すれば充分! と5回も来ている馬鹿狸は太鼓判…。
 さて続いて向かうは、かつての北前船で栄えた下津井港。しかし、いまは瀬戸大橋の完成とともに寂れる一方で、最大の観光名所ともいえた超ローカル線の下津井電鉄も廃止され、見るべき処はあまりなし。その唯一の目的は瀬戸内の味覚、特にタコ!!! 一番有名なのが「保乃家」(TEL086-479-9127)で、創業50年を超すタコ料理の専門店。タコ刺し、うま煮、天ぷら、タコ飯など全7品のフルコース(¥5000)はとれたての地ダコを余すとこなく堪能できる。ただし、すでに過去数回訪問し今やリストラ中の犬牛狸一家には、最近の価格設定は高すぎ! 他にライバルがいないと思っていい気になってんじゃないの?(←疑心暗鬼…) ということで今回は新規開拓ですし割烹「松本」(TEL085-479-9688)を攻撃。活ダコを目の前でさばくタコ刺し、鮮度が自慢の穴子刺身(超美味!)、味噌仕立てのタコ土手鍋、小フグの唐揚げなど、新鮮な地魚目白押しでリストラ狸も大満足。
 本日の宿は県北部の湯原温泉郷。それを考えると遠回りながら、ちょうど毎月1日が功徳日ということで次は県央の最上稲荷へ。伏見稲荷、豊川稲荷と並ぶ日本三大稲荷の一つ(自称?)で、約500mの参道には、土産物屋や飲食店(大半は名物の「手打ちうどん」屋)が軒を連ねレトロな雰囲気が漂っている。本殿ではむぎも護摩木を奉納、むろん書く文字はお約束の「天下統一交通安全」、してその後おみくじを引くと何と「半吉」!!!何?半吉って????? この神社、七十七末社の分詞を一カ所に集め、たった20分程度で七十七社巡りをしたことになるという悪辣なシステムや、なんとビックリ「ペット御守り」という時勢におもねた珍品もあり(拝領時に「これ初めて売れた…」とつぶやいた巫女さんの言葉を黒牛は聞き逃さなかった!)、DNAに「やる気なし」と書かれているコーギー種にはお薦め! 頃良く夕方になり湯原温泉へ向かう。
 湯原温泉は江戸時代から温泉番付で上位に入る名湯。で、本日の宿は「湯原館」、源泉を湧かし直すことない"天然温泉"が自慢の温泉旅館。ちなみに湯原には「犬可」の宿がいくつかあれど「ホテルニュー松の家」は5000円、「湯の蔵つるや」は4000円など、たんまりと「犬持ち込み代」のおゼゼを要求、ちょっといかがなもんでしょう。その点、湯原館は犬無料! が、残念ながらそれ以外には特にオススメの点は無し(宿の人は皆さん犬に親切でしたが…)。原因はこの温泉地自体が、"日本一の田舎者"として知られる高松在住のT川J子さん(お座敷ストリップ愛好家)が社員旅行で来たことがあるという事実が雄弁に物語るように(?)いまや「保養系温泉」ではなく「宴会系温泉」だからでは?とたび狸は看破!しかし宮内庁病院はこの事実については声明を発表してない…。
 そんなこともあり夕食後はお約束の温泉場そぞろ歩き、最奥部の河原にある「砂湯」(砂とは関係ナシ)は全国露天風呂番付で「西の横綱」に選ばれた名所だそうだが、ちょっとレベル低いんじゃないですかJ子さん。混浴とはいえ真夜中なのに全身をバスタオルで包んだ男女が騒ぎながら入ってるような無粋な温泉は、人間ごとコールタールで埋めちゃって下さい!(むぎ@タリバン犬。談)
 さて翌日、本日も天気はまずまず。朝食前に湯原温泉名物の朝市に出陣。地元の山菜・野菜や自家製漬物、味噌などが並ぶ、日曜朝のみ開催(4〜12月)の名物市でお土産ゲット。で、チェックアウト後、もうひとつの名物「はんざき君」にご対面。「はんざき」とはこの地に生息する特別天然記念物のオオサンショウウオのことで、体を半分に裂いても死なないということからついた別名。ということは正確に半分に切ればどんどん増えるってこと? そんなたび狸のいたいけな学究心を黒牛は無視! その名も「はんざきセンター」(無料)で見られるはんざき君は、なんと百年以上も生きるとのこと。無駄吠えなしで散歩も不要とあらば、いかがですかあなたもコーギーの代わりにぜひ一匹! さらにそもそもこの町を選んだ大きな理由として続いて向かうは下湯原温泉「ひまわり館」(TEL0867-62-7080)。温泉に泊まってなぜ温泉に?それは、ここのウリがなんとペット専用露天風呂。大小2つの岩風呂はそれぞれ1570円(1匹あたり)で1時間貸し切りに。毎回お湯を交換するので衛生面も安心で、日頃のストレスもすっかり解消とのこと! で、入浴したのかって? ま〜さか、熱湯で釜茹でにするならともかく、犬だけがいい気持ちになったってワシらつまんないじゃないですか! 参考写真載せときますから、ご興味のある方はぜひ…。
 で、本日のメイン観光地は蒜山高原。西の軽井沢という恥知らずな自称をするこの高原の名物(?)は「生ジャージー牛」。馬鹿犬君と同じ英国出身で非常に人なつこい性格を持つとのちょっと困った動物君…。観光するはその名も「ひるぜんジャージーランド」(TEL0867-66-7011←ちなみにTV「暴れん坊将軍」のオープニング撮影地←で?)。まず乗馬クラブで来年の干支の裸馬君を表敬訪問。軟弱犬、すでにこの時点で腰が引け気味。続いて、牛舎へ。見学自由なれど、えせ牧牛犬、自ら先制の"キュン鳴き"をして接近拒否! よって、法定代理人・黒牛が近づいていったところ、ワラワラと若牛が集まり、「撫でれ〜撫でれ〜」と大歓迎! 確かに人なつっこく、この毅然としない自分勝手なところが、馬鹿犬君同様、英国産品の特徴か? 売店ではミルクやチーズを始め様々なこの牧場の生産品が。どれも美味なれど、とりわけカマンベール入りパン(絶品!)とソフトクリームがお薦め! 適度な芝地もあり、地雷犬も大爆発。でももうすぐ雪が降ると見たなワシの勘じゃ(←誰?)。で、ここで昼食も楽しめるが、さすがの鬼子母神の黒牛もさっき遊んだジャージー牛のステーキやハンバーグを食べる気にはなれず(←単に貧乏だからともいう…)。この地で意外なお薦めの昼食処「木の実」(TEL0867-66-5511)へ。良い水を求めて岡山市内から移転してきたというこの店は、地元の素材に韓国直送の調味料を使い、本場の味を再現した本格派韓国料理店。自慢はビビンバなどの石鍋料理でたしかに美味。ただし注文をまとめないと時間がかかりそうな気配が一面に…(宣保愛子先生鑑定)
 で、満腹になったご一行、実はこの日の午後はフリー観光(←何?)。途中の「道の駅・風の家」で激安の野菜など仕入れつつ(高原野菜直売は12月9日から冬休み)最高首脳会議を開催(出席者=狸・牛・犬)そこで選んだのが、古い町並み巡り。ここ岡山には倉敷は例外としても、備中高梁、足守、勝山、備前福岡など、昔の街道の面影を残す街が多数。そして、今回向かうのは、津山市(ちなみに「男はつらいよ」最終作ロケ地←しつこし!)。過去二度訪問したたび狸が、そのあまりの時間が止まった感じから「今後の日本の歴史に一切関係ナシ」と不遜にも一方的に断定した(←アルカイダヌキ?)県北東の城下町。出雲街道沿いには、商人や職人の町として栄えた往時を偲ばせる、江戸時代の町家と町並みが残る。で、ゲリラ犬もしばし空爆を忘れてそぞろ歩き。と〜〜〜〜〜〜〜〜ころが、この町、なんと今をときめくB'zの稲葉君の出身地と判明!(←いや、アッシは実は誰だかも知らないんですがね…)。ワシらはこんなさびれた(←失礼)町で育った人に文字通り「踊らされていた」とは!!! 己の不明を恥じた、武士たび狸は、さっそく衣装をあらため、自邸庭にて見事に冬眠に入ったという(←何?)。
 して、その後ご一行は、今回の無軌道な旅を締めくくるように、高速道路を爆走し(実は今回の訪問地は距離こそ離れているもののほぼ高速網で結ばれている)岡山空港近辺まで撤退。そして締めの夕食は総社の「ままかり家」(TEL0866-92-5478・前出の倉敷の店とは別)。ここは、前回の旅行(独居老人宅への消火器訪問販売…)で見つけていた場所で、内陸にあるにも関わらず瀬戸内の魚が安価で旨い店。特にママカリ、タコ、シャコなど地魚満載の「小魚盛り合わせ定食」1500円はお値打ち。ということでラマダン中のご一行も日没と同時に飲めや食えやの御乱行。へべれけになり19時30分発の飛行機で帰京。ちなみに、この無意味な3匹の大活躍を記録した「タビー・ィヌッターと賢者の飯」は今のところアフリカ大陸も含めて出版される予定はない…。


【誠実経営のたび狸わがまま旅行社から】
 馬鹿犬君たちが蒜山の後に津山に廻ったのは明らかに間違いです。ペンタゴンの特殊部隊で訓練を受けていない一般の犬君たちには、岡山空港からもほど近い、吉備路の歴史&自然散歩がぜひお薦め。のどかな田園の中を、造山古墳や備中国分寺、吉備津神社など歴史的に興味深い名所をのんびりと巡る遊歩道&自転車専用道が完備されており、たび狸も海兵隊時代(?)に何度も来てなければ迷わずこちらを選びました(県観光連盟専務理事様もこちらをお薦め)。それより何より、岡山県と言いながら、岡山市内とか牛窓とか備前とか小豆島(香川県)とか瀬戸内側の観光地には行かないのか!と、きっとあなたはお思いでしょう。ワタクシ、今は特務中につき「不器用ですから…」とだけいっておきましょう…。あっ!出動命令が!では失礼!ワンワンワン…(黄熱病罹患中)


【本日の一言】
 「俺は単なるツカミか!」(by桃太郎)