99年7月17日



























ここはどこ?



愛玉子

その正体

お大名…

芋甚アイスと常連犬

柳屋(上)桃林堂(下)





獅子文六先生と



 【たびいぬ《旅犬》】古来より860匹に1頭生まれるといわれる、旅を生業とする犬。その性格は孤高、聡明、強靱。その命の続く限り厳しい旅を希求し、決して、畳や絨毯の上では死なないといわれる伝説の血統。「紅たび犬」と「白たび犬」がある。(=プロ野球ファン手帳1982より)
 …とすると、今、私の目の前にいる、一日中クーラーの吹き出し口の下で、仰向けになってイビキまでかいて寝ているこの優雅な動物は…?あっ!もしかして!決して座敷から出ようとしないという「足袋犬」!?。むぎ家にほど近き所に庵を構えた、かの松尾芭蕉先生曰く「月日は百代の過客にして、ゆきかふ歳もまた旅人なり…」。で、何が言いたいかって?え〜ん「HPもそろそろネタ切れですね…」って会社でイヂメられたんだよ〜、お〜い、お〜い!(注・呼び声にあらず)。ということで、都会の日常にも旅はある!では、何処へ?時は夏!といえばもちろんお台場!?マジ?フジ?…じゃなくてここは一発「下町」だっ!!!

 【むぎはは《むぎ母》】六代続いた東京日本橋人形町の商家に生まれた“ちゃきちゃき”の江戸っ子。しかしその出自とは裏腹に、性格煮え切らず、動き鈍重。むぎの散歩中に「ま〜、よく太ってること…」と蔑まれる事数知れず。
 
 そのむぎ母と、昔は本所深川といわれた地域在住のむぎ家の、まだ下町情緒が残る、お薦め町のご案内(実は日本橋や深川にはもう殆ど面影なし)。ポイントは犬連れにふさわしい適度な散歩距離、人混みなし、交通量、そしてなんと言っても旅の醍醐味の“買い食い”。もしかしたら当HPで最初で最後の実用情報「千駄木、駄犬と駄菓子の旅」の始まり始まり〜(えっ?早く終われ?)。
 今回攻略する地域は東京都台東区谷中と文京区根津&千駄木。森鴎外、夏目漱石らの文人に愛された町(見たんか〜?)。全行程(歩く時間)2〜3時間の散歩コース。最寄り駅はJR鶯谷か営団地下鉄千代田線の根津。車で行く場合は「言問通」の鶯谷JRの寛永寺陸橋から根津駅交差点までの間にいくつかコインパークあり。ただし確実に空いているのは寛永寺陸橋を越えたすぐ右の駐車場。夏&快晴では日中全行程は暑さでコーギーにはムリ?。水飲み器必携。かくしてむぎ一家、鼻の穴を膨らまし、寛永寺陸橋横駐車場をスタート。食うぞ、食うぞ、食うぞ〜っ!。犬は今回もガンガン路上放置だ〜〜〜〜っ!
 さて、まず言問通を進むと、右側に登場するのが明治43年建築の酒屋を利用した「下町風俗資料館付設展示場」(Tel3823-4408)。長屋、井戸、駄菓子屋、銅壺屋などをこの一軒の中に乱暴に再現した「史実のもんじゃ焼き」状態…。タダだから記念写真にぜひ。そしてそのすぐ隣が最初の買い食いスポットであり一番の変わり種「愛玉子(オーギョーチィ)」(Tel3821-5375)。店名の「愛玉子」は台湾のデザートで、ゼリーとも言えるし、寒天とも言えるし、葛菓子とも言える中途半端な佳品。レモンシロップをかけて食す懐かしい味!(知らぬが慣用句につき…)。そのセールスコピーは「カロリーはお米と同じ。腎臓に良い漢方効果あり」と、完全に自分だけの世界を表現。店内超レトロ、注文から勘定まで約10分の効率よさ。ちなみに、その正面は和菓子「岡埜榮泉」。知らない人がいない豆大福の有名店。知らない人は買う必要ナシ!。
 続いて、一度逆方向に戻り、東京芸大の塀に突き当たった右側が(よい子のみんなは本当に突き当たっちゃダメだぞ〜byハクション大魔王)創業70年の和菓子「桃林堂」(Tel3828-9826)。売り物は「小鯛焼き」。その姿は、可愛らしいともケチくさいとも言える名物で、「金魚焼き」と強欲たび狸陰口を…。再び「愛玉子」方面に戻り、裏道を散策。この近辺は車も少なく、ほんとに東京?というのんびりさ。向かうは「大名時計博物館」(Tel3821-6913)へ。しかしその門には「7/1〜9/30夏休み」との札が!さすが大名…やる気なし!。むぎ嫌がらせに放尿…。このあたりを不忍通方向に降りていくと出現するのが根津買い食い虎の穴「芋甚」(Tel3821-5530)。ミルクホールを前身とする四代続く甘味処で、人気は昔懐かしい(いや本当は知らないんですけどねあっしは…えっくどい?)アイスクリーム。ガイドブックでは小倉アイスがお薦めだが、実は美味しいのはバニラ!(断定)。バニラって言ったらバニラ!ば・に・ら!。で、バニラって何?誰かその実体を見たことある?なんで香料にしか使わないの? なぜ?…、などと軽い文字数稼ぎをしながら、小倉アイスをほおばる人を「ふふっ、お主らも青いのぉ〜」と嘲笑する悪代官狸であった。もし、この地で昼食を…という方は、不忍通を渡って一本裏の「mannebiches(マヌビッシュ)」(Tel3824-0484)へ。南仏料理でプリフィックスのランチは安くて美味。テラス(お茶のみ)があるので、ここに犬を荒縄で縛り付け…。ただし相当人気店なので早めの襲撃を。
 再び、芋甚から不忍通に出て右折して左側にあるのが、鯛焼き「柳屋」(Tel3823-6277)。人形町の超有名店の正式な分店で、こちらは大行列もなし。捜査本部によると鯛の形もほぼ同じで素人には見分けがつかないとのこと。背後に大がかりな外国人偽造組織が潜んでいると見て、関係機関の協力を得て引き続き捜査を続けるつもりはない模様。しかし時に「100個!」とかとんでもない注文をする人がいるので、万が一のためマシンガンまたは軍用犬の携帯を(『地球の歩き方』より抜粋…)。で、不忍通を千駄木駅方向に進み(並行する裏道がよりおすすめ)、駅で「さんさき坂」へ右折。すると店構えも渋い「菊見せんべい総本店」(Tel3821-1215)江戸千代紙の「いせ辰」(Tel3823-1453)と土産処も勢揃い。その他、この根津・千駄木界隈全般、普通の肉屋、惣菜屋さんなども安くて美味しい物が沢山あり(例えば「コロッケ。ミート入り」の謎の張り紙。何?)。出来れば簡易クーラーバック持参で!などと面倒くさいから早くも話をまとめる方向へ…。
 さんさき坂を上り始めると左手にあるのが「すし乃池」(Tel3821-3922)。ここの名物が「穴子ずし」(2500円持ち帰り可)。旨いぞ!きっと穴子かシャリかタレがいいんだな、たぶん。(←なげやり)。さらに左手に昔ながらの“駄菓子屋”を見て進むと、最終的に突き当たるのが(良い子のみんなは…)「谷中霊園」(Tel3821-4456←必要?)。10万平方mの広大な敷地には横山大観、渋沢栄一、徳川慶喜、出羽海…など著名人のお墓がいっぱい。霊園事務所で100円寄付すると、詳細な著名人お墓マップがもらえます。墓地といえば暗いイメージだが、春は桜、夏は緑で有名なここは木陰の公園風。すでにアゴを出している根性無しの犬を生き埋めにするにはもってこい!(スコップ持参のこと…)。散歩人、散歩犬も多し。ご紹介の全行程歩く自信のない方は、ここを中心に。で、中を突き抜けると車を停めた寛永寺陸橋近くに出るという仕掛けです。えっ?全然わかんない?だと思った(キッパリ!)。そんな方は『るるぶ情報版 関東8 るるぶ東京下町』(JTB発行743円税別)で。これを見れば位置関係は一目瞭然。本当はワシらだって行ってないんだも〜ん!このクソ暑いのに!ぜ〜んぶこの本見て行ったフリして書いたんだも〜〜ん!どうせHPなんてネタ切れですよ〜っだ!次回は「たび犬・コソボ篇」だっっ!。などといいつつ、誰にも慰留されることなく退場する一家でありました…。