イヌディ・ジョーンズ 卑屈の迷宮


98年12月18日
♪貧しさに〜負けた〜




何なんだか・・・




何も見えまへん。
 年も押し詰まった最後の週末(むぎ父母は25日からむぎ抜き旅行)、HPのカウンターも1300hitを超え、このままではいずれ2000hitが射程範囲に。ということは、早急に手を打たねば顰蹙度も2000倍!そこで「お客様の読む気を喪失させるため」急遽、仕事納めを敢行!これぞ、都合が悪くなると目先のことで誤魔化そうという『Desert Raccoon(砂漠の狸)』作戦。かくして魚雷犬を積んだ空爆機は、一路、富士山麓へ。本日の攻略目標は「富士スバルランド ケイナインパーク」(TEL0555-72-2239)、“人とイヌとの共存”をテーマにする、ちょっとあやしい新名所である。

 午前11時、目標到着。人間1300円、イヌ500円也の入場料を払うと、いきなり登場する「足洗い場」。裏道稼業のたび犬に相応しいお出迎え… 。そして次なるは、かのノストラダムスが、観光地の没落の前に必ず現れると予言した「写真撮影用切り抜きボード」。“世界中の切り抜きに顔を突っ込んで来た女”をウリにするむぎ母、早速記念撮影。しかし何かがおかしい。そう、ここのボードは顔でなく口の部分が切り抜かれているのであった!つまり「♪ワタシ食われてます〜」(敏いとうとハッピー&ブルー)状態。トホホ…である。さらに進んで行くと、いよいよ主役でもあるイヌたちがご登場。遊歩道の脇に次々と前線基地たるゲージが点在、その中に迎撃配置された多種多様の「パトリオット犬 」たちが、悪魔の帝国の手先むぎに、大声で応戦してくる。むぎ、得意の“見えないフリ攻撃”で「逆ステルス戦闘機」と化す。続いての見物は「ふれあいコーナー」。可愛いワンちゃんと遊べるコーナーのはずだが、ドーベルマン、ジャーマンシェパード、バーニーズなど選りすぐりの超大型犬ばかりが歯をむき出しに吠えまくり!歩く猜疑心と言われるむぎ父、柵の外側に慎重に近づくも、ジャンプしてきたドーベルマンにジャンパーの胸をいきなりガブリ!!見事に穴!!!。「闘犬と」と書いた看板が周囲に落ちてないかと探すむぎ父であった。

 途中、これも売り物の「ドックラン広場」を何カ所か通過するも、その印象は今時のクリスマスプレゼントにぶら下がり健康器を貰ったようなわびしさ…。そしていよいよ「お散歩犬」が大量に待ち受ける敵の本拠地へ!「お散歩犬」は一時間500円でお好みの犬と遊べるシステムだが、極小から特大までおよそ80頭の犬が「ワシを連れてけ!ワシだワシだ!ワシだ!」と吠えたてる。その声のうるささは知恩院の釣り鐘の中に108匹の煩悩コーギーを入れアンディ・フグが電信柱で叩いているよう!卑屈犬むぎ、目が鯖になり、文鎮状態でたちまち戦意喪失。ついには、空もにわかにかき曇り、「晴れ犬パワー」も大減衰。ここに至りむぎ父母、離脱を決定。ちなみに平日とはいえ他のお客さん2組。早く行かないと知らないぞ…。
 その後は富士吉田名物の手打ちうどん、中でも老舗の「はなや」(超コシ、旨し。TEL0555-22-2507)で昼食、明日のミニオフのため定宿・八ヶ岳へ向かう。勇者らしく戦いを終えたつもりのむぎはケージで爆睡、知らぬ間に空もいつもの快晴に戻っていた。

  今日の結論「人は人。イヌはイヌ。」


コースケくん
ラルくん

・・・

すくみあがる三匹
 さて翌日は、コースケ@松本君と、めがねコーギーとして名高い(?)ラル君とのご対面。大阪生まれ信州育ちのコースケ君は17kg超のジャンボな男の子。一方のラルくんは、あたかも眼鏡をかけてるかのようなマークがチャームポイント。ともに松本市在住の2頭もこの日が初対面。まず待ち合わせの「カントリーキッチン」(清里おすすめスポット参照)で飼い主のたっちん@信州さん、Norimakiさんとむぎ父母はランチ&コーギーの世界趨勢について情報交換。むぎ父、お目当てのパンが食べられず鬱屈…。
 
 そして大きな芝生広場、牧舎、直販売店を持つ「八ヶ岳中央農業実践大学校」(TEL0266-74-2080)に場所を移し公開闘犬の開始。青空のもと“へこへこ”を繰り返すコースケ&ラル(ともに♂)、そして紅一点のはずがまるで相手にされず吠えまくるむぎ。しかし、そうかと思うと100mほど三頭で全力で走りまくり、おもむろに再び“へこへこ”を…と、コーギーらしいリベラルな催し。ところが、そんな彼らの眠れる野性が一瞬にして発揮される事件が勃発した!
 
 それはまさに感動的な光景であった。実習中の学生たちが牧舎の牛を移動中、数頭が脱走し、なんとコーギー軍団と正面衝突!ご存じ「牧牛犬」の才覚と勇気の血を受け継ぐ彼ら、突進してくる赤牛を見るやいなや、まるで映画『三匹の侍』のように仁王立ちになると…、逃げる!逃げる!逃げる!その態度と足並みの揃い具合はさすが「血」を感じさせる筋金入りのプロの逃げ足。牛を初めてみるラル君はともかく、最年長犬のむぎは「見えないフリ」&「逃げてないフリ」のベテランらしい円熟の複合技で卑屈度120%!ついにはリードもからまり“犬団子状態”に…。かくして『三匹の侍』は『てなもんや三度笠』としてトリオを再結成、またの出会いを誓って楽しい一日を終えた。

 今日の一句「コーギーに、リードとられて、もらい泣き」。