2001年9月1日













朝はイカ!








黒牛捕獲!


アイヌ犬ならぬアイス犬

狩猟犬?

ハーベスタにて

すくむなま白犬

おうじ家のぬらりひょん

















悶絶するたび狸






人気の道南食堂






チョコ君と

旧函館区公会堂

金森煉瓦街

無法地帯








啄木と豚木




 さあ、想像してみてください。ここに素晴らしい文章の書き出しがあります。流れるように華麗でリズムは小気味よく、これから始まる本編への期待がいやがおうにも高まる素敵な文章です。さあ、想像できましたか? では!ということでたび犬むぎ9月1日早朝、函館へ向け出発した!(←え〜ん、だってどうしても書き出しが思い浮かばないんだもん。ぴすぴすぴす…)
 函館。かの高田屋嘉兵衛によって発展し、北島三郎がはるばるやって来て、そして恒例夏の「函館競馬」で純真無垢のたび狸からなけなしの金を巻き上げてのうのうと暮らしている街…。調査によると市民の8割はイカ(残り2割は毛蟹…)というほどの港町で、この日の出発は羽田朝6時45分とくれば、定番トヨタレンタをピックアップしたご一行は、まずは朝食へ。函館といえば何より超有名なのが「駅前朝市」。しかし、青函連絡船なき今、朝市はもはや単なる観光客向けイベント。ということで目先を変えて向かったのは函館市水産物地方卸売市場内の「巴」(Tel0138-27-2233)。新鮮な朝獲れイカの刺身と自分で数種類から選ぶ焼魚の「B定食」で1500円。ちなみにたび狸はランチュウを…(←嘘)。そして続いて、鮮魚系土産の買い出し。物欲の女・黒牛が「朝市より安く、モノは上!」とかつてユニセフで演説したのが、新川町の「自由市場」(Tel0138-27-2200)。新鮮な海の幸をはじめ、野菜、果物など全60店舗が安さを競うプロ御用達の市場。客引きも朝市ほどはひどくなく、結局、朝獲れ活きイカ、死に毛蟹、生イクラ、死に鮭ハラスなどをGet! この時間に発送すれば、翌日には人間様より早く自宅にご到着(東京の場合)。ただしこの市場、日曜定休なので厳重注意のこと(駅前朝市は日曜も営業してます)。
 さて、とりあえず市内での買い物を済ませ、いきり立つ物欲を発散させた黒牛運転の"トヨタデュエット号"が今回まず向かうのは、約25km離れたところにある道南有数の観光地「国定大沼公園」。ご存じ、北海道の車の流れは速く、荒くれ運転で知られる黒牛も、負けじと安全運転の車を蹴散らかして爆走!そして、あっという間に捕獲!!!!!!!!!! …18kmオーバー、減点2、反則金15000円!!!! 「あ〜自分で運転しないで良かった〜」と人格者・たび狸は思ってもみなかった大幸運に胸をなでおろした…。「皆さんもぜひポルシェかなんかをドーンと借りて大自然の道を大爆走してみませんか!」(by傷心の守銭奴・黒牛)
 で、とりあえず向かう大沼。しかし、本当の目的は、そう、たび犬むぎ&黒牛(ともに体脂肪率推定68%)の主食・有名アイスクリームの購入! まずは「山川牧場」(Tel0138-67-3658)のモカミックス・ソフトクリーム(ちなみに、夏期限定販売の自家製ベーグル・ローストビーフサンドも大人気)、続いて「ピカタの森アイス工房」(Tel01374-5-2323)旬のフルーツを使ったアイスクリームを連続撃破し、"ご相伴犬"もみるみる小太りに!
 で、大沼はどうした?ですか? へいへい書けばいいんでしょ書けば(←よい子はお返事は一回で。←?) 雄大な駒ヶ岳を望む大沼公園は"新日本三景"のひとつ。大小80もの小島が点在する風景が特徴で、手こぎボートから遊覧船までさまざまな船での湖上散策がまずオススメ!(ただし犬の乗船可否は未確認。だって捕獲されたワシらは貧乏人…)。湖畔には遊歩道も完備され、狩猟犬の血を引く(?)むぎ、たちまち湖畔でくつろぐ鴨軍団を見つけるや突撃入水!!!のっけから泥だらけになり、狩猟狸の血を引くたび狸に散弾銃で射殺された。以上。
 ということで続いて向かうは直営農場で収穫した野菜や地鶏を使ったメニューが自慢の「KFCカーネル農場・ハーベスター八雲」(Tel01376-4-3113)。そう、あのケンタッキーフライドチキンの経営とくれば、かの有名な道頓堀に沈んだカーネル・サンダースの生まれ故郷?(ちなみにたび狸『地理B』成績2…) ここで待ち合わせしたのが、北海道に脈々と勢力を築く"草月流温厚コーギー(?)"で知られる血脈「ナンナンファミリー」の総帥=おうじ・ははさんと、リッキー、メメ、エールという凶悪犬(後述)を巧みに操り、自由が丘で遊び歩くお母様を持つ、れいこさん。2人とも函館在住でとってもとっても「いい人」。ということで2人と狸&牛は、雄大な農場と海を眺めるテラスで昼食。むろんその間、その体型から「芝の短距離向き」と見なされている競走馬鹿犬は広大な芝生を大爆走。この牧場には鶏たちを狐から守る三匹のコーギーの牧羊犬がいて、もちろんたび犬も表敬訪問。しかしながら一斉に吠え立てられ、なにせ相手は「有職犬」、一方こちらは「無職犬」とあって、金網越しにすくみ上がる始末…。完全失業率5%時代の"痛みを伴う改革"を身をもって体験した巨大なま白犬、ほうほうの体で14時半農場を後に再び市内を目指す。
 帰路、おうじ家を訪問。あどけなさ一杯の子犬姉妹・ぐり&ぐら、そして看板犬のおうじくん、小太郎くん、ナンナンちゃんら7頭の大人犬とご対面。しかし「睡眠不足」「やわらかく炊いたごはん」「子供」を何よりも苦手とするたび狸は、おうじ・ははさんの愛息・鈴之丞君(2歳♂・セーブル)がぐずり出すと、対抗してぐずりかえす始末。黒牛、慌てて狸を風呂敷で包んで退散。おうじ・ははさん、どうもお邪魔しました!
 ということで、市内に戻った黒牛とれいこさんと風呂敷は、夕食の約束をしてとりあえず一旦解散。今回の宿は、市内最大の観光スポット元町の中心部にある「ホテルMC」。コンクリート打ちっ放しの広々した客室には犬の持ち込み可。それもそのはず、マネージャーはビーグル犬の「てつ」!(ちなみにベルボーイはプードル)。とにかくアットホームでくつろげる宿でした。その後、黒牛は川に洗濯に、狸は昼寝に入りましたとさ…。
 で、夕食!予約したのは有名な金森倉庫の中にある「函館ビヤホール」(Tel0138-27-1010)。風情のある煉瓦の建物で、「いい人」のれいこさんと、思う存分ビールが飲めるとウキウキ気分のたび狸! 19時に到着し名前を告げるとそこにはすでにれいこさんが。しかし!観光地のせいかシーズンのせいか予約客にも関わらずなんと「相席」!!!!!!!!!!!! 「店員」「警備員」「駐車場係員」とは天敵関係にあるたび狸、思わず怒りを爆発させようとすると、相席の"中年のカップル"が振り向いて「オッハ〜〜〜!」と! な・な・な・な・な〜〜〜〜〜〜〜〜んと、それは札幌在住のチョコ君の飼い主・あすこまま&その夫かけそば男氏!!!!!! あすこままといえば、もちろん言うまでもなく「よくない人」の代表!!!!!!!!!!!!! 正真正銘の討ち入りだっっっ!!!!!!!!! だいたい思い起こせば前日から黒牛の携帯にあすこままから怪しげな「函館に行けない言い訳」のiメールが多数入り、「これは討ち入りしてくる可能性大だな!」とたび狸自ら、今朝、口にしておきながら、「捕獲」「れいこさん」「鈴之丞」に気をとられてすっかり失念していた狒狒狸の大失態!!!!!!! 予想通りのオチながら「ウラ〜!ハラショ〜」と叫んで(←何?)たび狸その場で昇天…。よってゲリラ犬が返り討ちにあったこの夜の追加レポは黒牛から…
 「函館ビヤホール」でオリジナル地ビールや生ビールを堪能し(1名はコーラ一本やり!)、ゲリラ戦のあり方について語り合った一行は、勢いもそのままに二次会に突入。会場は。大正時代の質屋蔵を利用したノスタルジックなバー「蓬莱HISHII」(TEL0138-27-3300)。雰囲気のある佇まいは人気のデートスポットのようで、ロマンティックな夜をすごそうというカップルが次々訪れるが、2階席に陣取った一行の飲むは騒ぐは、さらにはイタ電かけまくるわの傍若無人な振る舞いに、すっかりムードも壊され、蜘蛛の子を散らすように帰っていってしまう始末。アベックのみなさん、ごめんなさい…と夜は更けていった。(「アベック」?死語?by蘇生狸)
 さて、翌日。もはや落ち武者のあっしにはそんなことはもうどうでもいいんです…(自暴自棄)。まず函館といえば湯の街。市内には早朝から開いている公衆浴場が。ということでご一行、「市営谷地頭温泉」(Tel0138-22-8371)で、鉄分の入った赤い湯の朝風呂でほかほかに(むろん犬禁←当たり前)。続いては駅前朝市に向かい、超有名店ながら「道南食堂」(Tel0138-22-3056)に。「いくら丼」「うに丼」などが目玉だが通(?)はそんなものは食べてはいけません。この店のウリは様々なおかずが目の前に並べられていて好きなモノを自分で選ぶところ。この日のご一行は、鮭ハラス焼き、コロッケ、イカ塩辛、卵焼き、ごはん、みそ汁で、これならひとりたったの800円(赤貧…)。
 で、10時に「よくない人」と元町公園で待ち合わせ。ちなみにこの方、地元函館出身の伝説の女(もちろん通学鞄はテグスでペッチャンコ←本人談)。れいこさんと同じ地で生まれ育ったのになぜ?と、いまだに納得出来ないたび狸をセロハンテープの台座で威嚇しながら、まずはチョコ君とご対面。これが4回目というのに、相も変わらずガンを飛ばし恫喝するむぎに、チョコくん終始押されっぱなし。まるであすこままとかけそば男氏のように主従関係がはっきりした2頭の犬を連れた一行は、あすこままのガイドで元町の坂を歩き、旧函館区公会堂、ハリストス正教会、旧イギリス領事館などをバックに記念撮影し、ベイエリアの赤煉瓦倉庫街の散策、と異国情緒を満喫。
 続いて一同で向かったのが「いい人」れいこさん宅。家の前の公園にはすでに今秋の東京ディズニーシー訪問を虎視眈々とねらっている自由が丘夫人(?)のお母さんと、リッキーちゃん(族OB)、メメちゃん(現役大凶悪)、エールくん(子供につき弱虫)の三頭を連れたれいこさんがすでに臨戦態勢でお出迎え。やる気満々のなま白本州犬、お近づきのしるしにとばかりに吠えたてながら乱入するものの、「止血キット」を握りしめた黒牛の思惑をよそに、流血の大バトルには発展せず。各犬それぞれの理由(エール=ボールよこせ、メメ=ワシと遊べ、むぎ=ワシがワシが、チョコ=もう帰りたい…etc)で吠え立てる犬どもに辟易した犬嫌いたび狸が密かに保健所に連絡しているうちに「腹が減った」という明快な理由で、意外なことにミニオフは無事終了した。
 さて、函館にはイカと並ぶ名物あり!それが塩ラーメン! よって、ご一行は有名な「あじたか」(Tel0138-51-7515)へ向かう。ところが「あじたか」は運悪く休憩時間。すると、前の車の「よくない人」がカツカツカツとやって来て「れいこさん、私たち遅くなるから帰るわ!狸と牛にはてきとうに何か食わせといて!」とのお言葉!!!!!! 一体全体この人は何??????? あきれかえる狸を尻目にあすこままは現役主婦暴○族の名に恥じぬ爆音を轟かせて(愛車はシャコタンのローレル)帰っていってしまいました…。「あすこまま。風のように駆け抜けた長く太い人生であった」(by片岡義男)。
 ということで残された3匹はこれまた有名店の「あじさい」(Tel0138-51-8373)へ。着いてみると行列の出来るラーメン屋。むずがる狸を再び風呂敷で包むむぎ母。美味。で、ここでれいこさんともお別れ。不肖たび狸、これからは「れいこさん系一本で行きます!」と高らかに21世紀函館宣言を行った(←意味、論旨、趣旨、意図不明)
 その後、討ち入られ犬一家は、函館山ロープウェイ(Tel0138-23-3105=犬はずっと抱いていれば乗車可)で当然のように函館山に。しかし絶景を前に、犬、なんらコメントも発せずちゃちゃと観光。その後、石川啄木先生の旧跡を訪ね、立待岬、啄木小公園などを観光。そして最後はかのシェークスピアが、いつまでたっても躾の入らない馬鹿犬むぎ(♀)に向かって「尼寺へ行け尼寺へ!」と叫んだことで有名な(←現在確認中←?)日本最古の女子修道院「トラピスチヌ修道院」(Tel0138-57-3331)へ。緑の尖塔屋根をもつ赤煉瓦の風格ある建物はまるでヨーロッパの古城のよう。残念ながら敷地内犬禁につき、むぎは賽銭箱(?)に寄付。そして空港に着く直前に、あすこままが「かんしょう」時代(←本人談。函館少年鑑別所?)に一日に10個食べたという「きくち」(Tel0138-59-3495)のソフトクリームを食べ、今回の屈辱の旅を終了。でも、実はれいこさんの落胆とあすこままの暴力が怖くて、ずっと言い出せなかったことがあるんです。思い切ってこの場で告白していいでしょうか?せ〜の! 
    
「東京ディズニーシーはつまらない!」
(たび狸、既に8月2日に潜入し確認済み!  で、一体このHPは何のHP?)



【本日の一句】
「れいこさん訪ねて行けばあすこまま。われ泣きぬれて犬とたわむる」(石川狸木)