雪原にうごめく茶色のチョウザメ


98年2月7日
なんやねんその目は?
むぎはその後「常宿」の八ヶ岳などを泊まり歩き、季節は冬になった。犬&冬といえば、そう「鍋」である、もとい「雪」である。犬として生まれたからにはすべからく雪を見て「♪喜び庭駆けまわり♪」しなくてはならない。これは昔からの決まりである。かくしてむぎは98年2月7日、日光に向かい「地獄の雪中行軍」に出発する。
 余談だが、むぎは「軍」が好きである。野球はなんと言っても「巨人軍」。巨人が負けると顔が達磨のように険しくなる。あと「日本軍」。ワールドカップでは城選手に一言苦言があったらしい。あと「軍鶏」。コワイけどウマイらしい。そんなむぎにとって「猿軍団」の待つ日光で「行軍」するなど夢のような話に違いない。宿は「ペンションありの塔」ここをベースに日光を攻略する。
や、やめてんか〜
 
 まず、むぎ父母が向かったのが霧降高原下の“隠れ家風レストラン”「グルマンズ和牛」(TEL0288-53-3232)。犬とは全く関係ない、ともかく個数限定のハンバーグがやたらと旨いのである。予約をお勧め。犬留守番。その後、クロスカントリースキーのメッカ・湯元「光徳牧場」に向かう。ここまで来ると一面の銀世界!しかし、どうもクロカン場に犬は入れないらしい…。まあいいかと人間「搾りたて牛乳」を飲む。犬、眉毛が「へ」の字になっている。陰湿な奴である。しかたなしに湯元温泉で情報収集。するとビジターセンターでスノーシュー(かんじき)のレンタルをしている。早速借りて(500円)、雪遊びポイントを教えてもらう。
林道から少し入るとそこは綺麗な新雪の世界、狐の足跡などもある。限りなくロマンティックな冬の静寂…、を破る「味覚糖」の形をした犬一匹。そう完全に発狂である。ひとりでがうがうしながら雪原を駆け回っている。日光だけに「暴れん坊将軍」か?まあほっとけばいずれ疲れるだろう…と思ったものの小一時間も走りづめ。そう、こいつは「水冷式」なのである。もはやビジターセンターが閉まる時間。そして楽しみの「白根荘」での日帰り入浴700円もしなくてはならん。仕方なしにむぎを捕まえると、そのでっぷりとしたお腹には、左右対称にびっちりと雪の塊が…。お前はチョウザメか?「中禅寺湖に放流して帰ろう」と思ったむぎ父であった。