金子みすゞ詩集(大正末期)より



                        2002年春(?)号
わたしが両手をひろげても
お空はちっともとべないが
とべる小鳥はわたしのように
地面(じべた)を
はやくは走れない…
わたしがからだをゆすっても
きれいな音はでないけど
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんなうたは
知らないよ
すずと
小鳥と
それから
わたし
みんなちがって
みんないい

みすゞ様、ゴメンなさい…