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小京都と大犬 |
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あぢぃ〜〜っ! |
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晋作君、遊びましょ! |
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夏みかん泥棒 |
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益田競馬は犬OK! |
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病魔がたび狸を襲ったのはあまりにも突然だった。7月1日朝6時、強い吐き気と絶え間ない頭痛と目眩で目が覚めたたび狸、そのたった3時間前まで会社の歓送迎会で中ジョッキ4杯の生ビールと、小ジョッキ1杯の老酒と、ダブルで6杯のバーボンを元気に飲みまくっていたのになぜ? 予期すらしない不幸に打ちひしがれながら、ご一行は早朝の羽田空港に向かうのでありました。ああ、キモチ悪り〜〜…。
7月1日、この日は全日空の2回目のバーゲン運賃が使える週末。タダと聞けば革マル派の炊き出しにすら並んでしまうむぎ一家、こんなタダ同然のチャンスを逃すはずはナシ!しっかり予約を押さえ、今回はANK575便で島根県の石見空港に出発。この日は荷物カウンターでの犬預けにやたら時間がかかり、その結果、驚愕の事実が判明!。今まで再三、たび犬むぎ、飛行機に乗るたびに失禁と書いて来たが、なんとあの小便まみれと思われたのは、自分のヨダレであったのだっ!(むぎ母現認)。あの大量の水分がヨ・ダ・レ!!! う〜、またも吐き気が…。かくしてDAHLIA OF SHINMARUSOU嬢(むぎ本名)は、名誉を回復すると同時に恥も上塗りし、石見空港へ向かいほうほうの体で旅立っていった。
定刻9時5分石見着。梅雨のど真ん中であり、週末の天気予報は雨&雨。ところが、いま、ここに到着したヨダレまみれの動物はご存じ“魔獣晴れ犬”、ということで山陰はなぜか快晴!おそるべき魔獣の妖力!しかし、この無意味な行いが後に自らの首を…。定番トヨタレンタを借り、ご一行は、まず津和野に向かった。
山陰の小京都と呼ばれ人気の観光地の津和野。じゃあ“山陰の小奈良”は?“山陰の小鎌倉”は?。大人って嘘つき…。多感な十七歳のたび狸は校舎の硝子を割ってまわり、尾崎豊の歌のモデルになりました、って誰も聞いてねえよって?そうですかそうですか…。ともかくこの地ガイドブックが沢山ありますから、私、あえて沈黙を守らせて頂きます。こんな駄文を読んでる時間とお金があればそれでガイドブックを買えばいいんだ〜!(逆ギレ…)。でもちょっとだけ書いてもイイ?(そしてへつらい…)。市内の堀割りにはマグロのような鯉がのたくた泳ぎ、小京都らしい(?)落ち着いた町並みに、森鴎外記念館、津和野カトリック教会、1045もの鳥居が並ぶ太鼓谷稲荷神社、亀井温故館などの見所が点在。民芸や特産の和紙などを使ったお土産屋なども多く、そぞろ歩きが楽しい町。
…のはずが、当家馬鹿犬、自らの妖力が効きすぎ気温が34度近くまで上昇!!。ちょうど日陰の出来ない時間帯だったこともあり、ついには歩行中に土の上に腹這いになるという暴挙に出て、敢えなく昇天! 津和野には何度か来たことがあるたび狸&黒牛は、犬の腐乱死体をずるずると引きずりながら、町一番のカルト食堂「平和楼」(TEL08567-2-2039)へ直行。「中華風スパゲッティ」「キモニラ炒め」「わかめ飯」などキッチュで美味な怪メニューを満喫。不治の病が小康状態にあったたび狸も、大瓶2本で症状再発!
懸命の蘇生処置で意識が戻った時には、途中、「船方農場」(TEL08395-7-0808)、「道の駅シルクウェイみちはら」などを勝手に回った救急車スターレット号は土産品でずいぶん重たくなって本日の宿泊地・萩市に到着。観光は明日にまわし、「ペンション萩」へ。萩中心部から東へ9キロ、海の近くに建つ静かなペンションは、この地域では唯一ジャンボコーギーサイズまで泊まれる老舗のペットOK宿。ガイドブックでもお馴染みだけに週末は満室か? と思いきや本日の宿泊はわれわれだけ…さみしい。どうせワシら鼻つまみ者…。静謐な夕食の後、土産の竹輪を狙ってヨダレを垂らしまくる犬との攻防で不毛な夜は更けていった…。
さて、翌日、天気はまたも快晴。萩といえばご存じ明治維新の中核をなした長州藩の中心地。師・吉田松陰のもと、伊藤博文(千円札を作った人)、山県有朋(引き籠もりの元祖)、高杉晋作(鞍馬天狗とよく間違えられる人)、田中義一(農業タレントにあらず…)などの維新の英傑を輩出した町。本当かって?、い、いや、ボク、まだ生まれてなかったし…。まずは松陰神社に参り「たび犬道成就」の祈願と松下村塾の見学。続いてレンタサイクルも漕げない家庭犬失格犬のおかげで、泣きながら歩いて市内散策。武家屋敷や土塀、数多くの「萩焼窯元」ほか、見所は沢山あれど、書いても誰も読まないから一切詳細省略。ただし、市内の小道は地元の車通りが結構多くて落ち着かないことと、お土産には「萩農協夏みかんゼリー」と「荒川かまぼこ店」(TEL0838-22-0337)の竹輪がいいということを、歴史的事実として挙げておきましょう。
昼食は萩を出て田万川町の「丹吾亭」(TEL08387-2-0264)で海の幸を。その後、「田万川温泉いこいの湯」(TEL08387-2-0370)で日帰り温泉を楽しみ、その一層の暑さで瀕死の病人&犬を乗せた車は石見空港のある益田市へ一路向かう。益田?益田!そう、そこで待ち受けるのは、大恒例、日本一の納税篤志家・たび狸氏が、「日本で一番ぼろい」と認定する「益田競馬場」(2003年8月廃止に)だ!!!!や〜い、愛犬家のフリしていたけど本当の目的はここだったんだよ〜〜〜〜〜〜っだ!!! さっそく足手まといな犬は簀巻きにして川に捨て軍資金を持って突撃だ〜〜〜っ!! ほれ〜 2−4! ん〜〜 1−3!! く〜〜〜 1−6!!!…
『たび狸』〜平成12年7月2日島根県益田競馬場にて死去。その意味不明な行動から「山陰の小“山田かまち”」と呼ばれる。ただいま香典受付中…。
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